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乳酸菌を摂ることのデメリットはあるか?管理栄養士が徹底解説!│ケフラン

2021.10.14
乳酸菌を摂ることのデメリットはあるか?

お腹に良いイメージのある乳酸菌。でも、「乳酸菌飲料を飲んだら下痢になった・・・」「サプリで便秘の症状が悪化した」という口コミがあることも?!もしかして乳酸菌ってデメリットがあるのでしょうか?どういうことなのか、管理栄養士が解説します。

乳酸菌を摂ることのデメリットは?

「腸活」「菌活」といったワードや「腸内フローラ」といった言葉もすっかり定着してきた近年、腸内環境を整えるために、日ごろから乳酸菌を意識的に摂っている人は多いのではないでしょうか?腸が健康だと、便秘予防、お肌、メンタルヘルス、免疫力向上とさまざまな機能が改善されると言われています。腸活に欠かすことのできない善玉菌の一種として有名な乳酸菌、身体にいいから、といって摂りすぎていても良いのでしょうか?

実は、乳酸菌の摂取量に決まりはありません。その理由は、大量に乳酸菌を摂取しても腸に蓄積されることなく2~3日ほどで排出されるからです。そもそも乳酸菌自体が人間の腸内に存在しているものなので、副作用や摂取しすぎによる大きなデメリットはほとんどないと言われています。

しかし、乳酸菌を摂りすぎることには問題がなくても、少し気をつけなくてはならない点はあります。

乳酸菌を含む食品としてよく聞くものは、ヨーグルトやケフィア、チーズ、味噌、ぬか漬けなどがあります。これらの食品は確かに乳酸菌を多く含んでいますが、同じように糖分や塩分も多く含まれています。例えば、季節の果物が入っていたり、ドリンクタイプのものにもなっているヨーグルトは、美味しくて食べたり飲んだりしやすいことから、ついカロリーオーバーの要因にもなりやすいのです。脂質や糖質の摂りすぎが気になる場合には、無脂肪や無糖のものを選ぶと良いですね。

また、味噌やぬか漬けには、塩分が多量に含まれています。適量を美味しくいただく場合には特に問題はありませんが、食べ過ぎてしまえば塩分の過剰摂取につながります。

健康のために、と気を使ったつもりが、思わぬところで糖尿病や高血圧といった生活習慣病へとつながってしまっては大変です。食品から乳酸菌を摂取する場合には適切な摂取量を意識することが重要です。

乳酸菌の効果を期待するのなら、一度に大量の乳酸菌を体内に入れるよりも、毎日コツコツと取り入れることが大切です。毎日継続的に摂り続け、腸内に乳酸菌がいる状態を保つことにより善玉菌が増え、少しずつ腸内の環境が改善されていきます。

乳酸菌で下痢になるってどういうこと?

乳酸菌で下痢になるってどういうこと?
乳酸菌で下痢になるってどういうこと?

乳酸菌入りの飲み物、乳酸菌飲料。飲みやすくて美味しいので、大人だけでなく、子どもにも人気の飲み物です。この乳酸菌飲料を飲みすぎてお腹を壊して下痢をしてしまった、という話を聞いたことはありませんか?お腹を壊した理由は、乳酸菌にあるのでしょうか?

よく目にする乳酸菌飲料は、ヤクルトやカルピス、ピルクルなど、これ以外にも多くの類似品があります。これらにはシロタ株やビフィズス菌など、含まれている乳酸菌の種類もさまざまで、売られている量も少ないものでは64mlから多いものでは1Lと差があります。パッケージに1日あたりの摂取目安量が記載されているのですが、これを超えて飲んだ場合には、腸の働きが活性化し、腹痛を感じる人もいるようです。目安量を確認し、くれぐれも、飲みすぎには注意したいところですね。

また、これらの飲み物は、牛乳を主原料としているものが主流です。こういった乳酸菌入り飲料やヨーグルトを摂りすぎて体調不良になる人は「乳糖不耐症」である可能性があります。

乳糖不耐症とは、体内に取り込んだ乳糖を消化できずにお腹の不調が起きることをいいます。日本人に比較的多く起こり、3人に2人は乳糖不耐症とも言われています。牛乳や乳製品の摂りすぎに注意することが大切で、自分の許容量を超えないように乳糖を摂取していれば症状が出ることはありません。

また、冷やした乳酸飲料を飲むと、お腹が冷えてしまいお腹を壊すこともあります。これは、腸の粘膜の一部が刺激されて活発に動きすぎてしまうことも原因です。少しずつ味わって飲むことを心掛けることも大切です。

すべての人に当てはまるというわけではありませんが、乳酸菌飲料の飲みすぎや乳糖不耐症、またお腹の冷えによって下痢になる可能性があることは知っておきたいですね。

乳酸菌で便秘になることはある?

乳酸菌で便秘になることはある?
乳酸菌で便秘になることはある?

それでは、反対に乳酸菌を摂ることで便秘になることはあるのでしょうか?

乳酸菌を摂りすぎることで便秘につながることはありません。しかし、もともとお腹の調子が悪く、腸内環境を整えることをことを目的として、整腸剤を飲み続けた場合、身体が慣れてしまって効果が薄くなる人もいるようです。

整腸作用といえば食物繊維を思い浮かべる方も多いと思います、もともと便秘がちな人は意識的に食物繊維を摂ろうとする人もおられるのではないでしょうか。しかし、お腹の調子を整えたいのに、便秘がひどくなったり、お腹がゆるくなったりした経験はありませんか?

毎日1回、気持ちの良い排便ができるのか、できないのか、理由はさまざまですが、適正範囲を超えた食物繊維を摂取しすぎることも、お腹の調子を悪くする原因の一つです。

食物繊維は「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の二つに分けられます。この食物繊維の種類を間違えてとりすぎてしまうと症状を悪化させてしまうことがあります。

水溶性食物繊維を摂りすぎてしまうと、軟便や下痢の原因になり、反対に腸の動きが低下している人が不溶性食物繊維を摂りすぎてしまうと、便のかさが増して便秘がひどくなってしまうことがあります。一般的な食生活を送れば、食物繊維の過剰摂取はほとんどないと言われていますが、良かれと思ってしたことで、症状が悪化してしまっては本末転倒です。

まとめ

われわれがもっと健康的な生活を送りたい、と考える時、食生活の改善や栄養のバランスをよくしたいと思うのではないでしょうか。ここ数年では、手軽に乳酸菌を摂ることができるサプリの販売も増えています。時間や場所を選ばずに摂取できるので、忙しい日々を送る人の心強い味方ですね。乳酸菌は、摂りすぎても排出されるので副作用などの心配はなく、継続して摂取することが大切だと紹介しましたが、このようなサプリも自分にあったものを比較検討して選びましょう。

また、毎日の食事から上手に乳酸菌を摂ることも大切です。他の栄養素も意識して適量を心掛け、自分の食生活を見返してみることも大切ですね。身体の中から健康にしていきましょう。

管理栄養士プロフィール:もり ひろこ

管理栄養士の もり ひろこ と申します。
栄養士・管理栄養士歴20年、特別養護老人ホーム、保育所給食、行政栄養士など幅広く経験しております。また、実際に調理現場にも長く立っておりました。多職種の方々と一緒に働いた経験をいかして活動中です。

参考URL

乳酸菌をとりすぎるとどうなる?副作用の心配は?【乳酸菌の健康と美容LABO】
https://kikumasamune-health.jp/side-effects/

乳酸菌のとりすぎに要注意。なぜ?【NUTRILITE】
https://www.nutrilite.jp/sokojikara/wellnesstips/content33/

食物繊維をとりすぎると、下痢や便秘が悪化?その原因と対策とは【カラダニイイコト】
https://zenb.jp/blogs/shokumotsuseni/200121_03-html

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