【徹底解説】栄養はどう違う?牛乳ケフィアと豆乳ケフィア│ケフラン
古くはコーカサス地方に起源を持つケフィアヨーグルト。準完全栄養食品である牛乳を元に作られるため、非常にバランス良く栄養を含みます。
では、最近よく聞く豆乳ケフィアの場合はどのような成分が含まれるのでしょうか?
本記事ではこのような疑問におこたえします。
ケフィアの効果とは? ヨーグルトとはどう違うのか
そもそもケフィアヨーグルトにはどんな効果があるのか?
詳細はこちらの記事(https://www.kefran.com/blog/about_kefir/post/1/)にありますが、美容効果としては美白・保湿・ダイエット、また健康効果としては便秘対策・花粉症対策・免疫力アップなどが挙げられます。
単一の乳酸菌による発酵食品であるヨーグルトと違って、複数の乳酸菌と酵母による共生発酵によって作られる点は特筆すべきであり、腸活や菌活にうってつけと言えるでしょう。
牛乳ケフィアと豆乳ケフィアの栄養素の違いは?
ケフィアの栄養は、元となる牛乳や豆乳の栄養に大きく依存します。
豆乳には低カロリー・高たんぱくだというイメージがありますが本当にそうなのでしょうか。実際にデータを見てみましょう。
牛乳(普通・低脂肪)、豆乳(無調整・調整)の4種類で調べてみました。
エネルギー(kcal) | たんぱく質(g) | 脂質(g) | 炭水化物 (g) | カルシウム | マグネシウム | 鉄 | 亜鉛 | 銅 | |
普通牛乳 | 61 | 3.3 | 3.8 | 4.8 | 110 | 10 | 0.02 | 0.4 | 0.01 |
低脂肪乳 | 42 | 3.8 | 1.0 | 5.5 | 130 | 14 | 0.1 | 0.4 | 0.01 |
豆乳 | 44 | 3.6 | 2.0 | 3.1 | 15 | 25 | 1.2 | 0.4 | 0.12 |
調整豆乳 | 63 | 3.2 | 3.6 | 4.8 | 31 | 19 | 1.2 | 0.3 | 0.12 |
カロリーの違い
普通牛乳と調整豆乳、低脂肪乳と無調整豆乳がそれぞれ同等のエネルギー量となっています。
また、たんぱく量を見ると、牛乳と豆乳とでそこまで大きな差はありません。
一概に豆乳が「低カロリー・高たんぱく」とは言えないようです。
ビタミン・ミネラル類の違い
豆乳と牛乳で含有量に差がある栄養素で、特筆すべきものはやはりカルシウムでしょう。豆乳が50㎎以下なのに対して牛乳では100㎎以上となります。
特に、牛乳に含まれるカルシウムは、食品の中でも約40%と吸収率が高い方とされます。牛乳中のリンやマグネシウムのバランスがカルシウムの体内吸収に理想的な比率であることも理由の様です。
一方、豆乳は鉄の供給源としても良いですが(牛乳が0.1㎎以下なのに対して豆乳1.2㎎)、吸収率は低いので他栄養素と組み合わせて吸収率を上げる必要があります。
その他のビタミンミネラル類は、そこまで含有量に差はありません。
たんぱく質の違い
たんぱく量自体はそこまで差はありませんが、牛乳は「動物性」、豆乳は「植物性」のたんぱく源となります。アミノ酸スコア(体内では合成できない「必須アミノ酸」をどのくらいバランスよく含んでいるか)はどちらも満点の100とされているので良質なたんぱく源には違いありません。
乳たんぱくは消化吸収が良く、幼少期の育ち盛りの栄養源としても、高齢期の効率的な栄養源としても安心して取り入れることができます。
また、乳たんぱく質には筋肉修復についての様々な効果も報告されています。
一方、大豆たんぱくは、乳たんぱくに比べると消化吸収こそゆっくりですが、腹持ちが良い為、食欲を抑えたい方にはメリットになります。
また、豆乳には女性ホルモンに似た働きをするといわれているイソフラボンが含まれています。
最近はプラントベースの食品も増えてきている中なので、豆乳をはじめとした植物性たんぱくも注目度は高いかと思います。
脂質の違い
含量自体に大差はありませんが、牛乳は血管疾患などのリスクとなる飽和脂肪酸の比率が高いです。
脂質異常症の方は、牛乳の摂取量を200ml/日までにするよう指導する病院があったり、ガイドラインでは大豆製品を増やすよう推奨されています。
どのように選ぶべきか
前述のような栄養を重視して選べば、次のように考えることもできます。
- 食欲を抑えるなら「豆乳」
- 脂質異常症の場合は「豆乳」
- 筋トレをしている方は「牛乳」
- カルシウムを摂りたい方は「牛乳」
しかし、牛乳ケフィアと豆乳ケフィアは味も結構違うもの。お好きな味を選ぶのが継続の秘訣ではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?
ケフィアヨーグルトと一口に言っても、何から発酵させるかで含まれる栄養が異なります。発酵する乳酸菌と酵母は同じですから、腸活への影響は変わらないかもしれませんが、その他の栄養は自分により合うもの、味がより好みのものなど、自分に適したものをお選びいただくと良いかと思います。
ぜひケフィアヨーグルトを作ってみてくださいね!
参考URL
一般社団法人Jミルク「知っていますか?カルシウムの“吸収率”のこと」
https://www.j-milk.jp/knowledge/nutrition/berohe000000oedv.html
わかさの秘密「ホエイたんぱく質」
https://himitsu.wakasa.jp/contents/whey-protein/
厚生労働省医薬食品局食品安全部「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0202-1a.html
東京都病院経営本部「脂質異常症の食事」
https://www.byouin.metro.tokyo.lg.jp/shoukai/eiyou/koushi/
(社)日本栄養士会全国病院栄養士協議会「脂質異常症の食事療法」
https://www.dietitian.or.jp/assets/data/learn/marterial/eiyo-kanri-leaflet-H23.pdf
監修
川神 純子(管理栄養士)