【徹底解説】ケフィアヨーグルトの植え継ぎはできるのか?│ケフラン
毎回新しい種菌を使わずに済む、ヨーグルトの「植え継ぎ」。ケフィアヨーグルトでも同じように、植え継ぎで増やしていくことはできるのでしょうか? 管理栄養士が詳しく解説します。
植え継ぎとは?
まずは、ヨーグルトの植え継ぎについて簡単に紹介します。植え継ぎとは、できあがったヨーグルトから、小分けしたものを牛乳に加えて発酵させ、新しいヨーグルトを作ることを言います。種継ぎと呼ばれることもあります。カスピ海ヨーグルトなどは、継ぎ足しながら植え継ぎが簡単にできることから人気があるので、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
毎回種菌を使わなくて良いので経済的な一方、既にできあがったヨーグルトを再度他の牛乳に入れるため、雑菌が繁殖しやすいという難点もあります。
ケフィアヨーグルトでも植え継ぎはできるのか?
それでは、ケフィアヨーグルトでも植え継ぎをすることはできるのでしょうか?
結論から言えば「固まる」が「元のケフィアヨーグルトほど効果がない可能性が高い」となります。なぜ効果がなくなってしまうのかは、後述するメリットとデメリットを御覧ください。
なお、植え継ぎ自体は、ケフィアヨーグルトと同じように、ケフィアウォーマーを使用したり、ケフィアウォーマーがなくても、室温で24~36時間程度待つことで美味しく作ることができます。
植え継ぎのメリットとデメリット
植え継ぎによるメリットとデメリットについて解説します。
植え継ぎをするメリット
まずメリットは、種菌代がかからないことです。インターネットなどでも簡単に購入することができるケフィアの種菌は、10包で1500円から2000円と、毎日続けて食べるには少々割高です。しかし、出来上がったケフィアを使って増やしていけば、牛乳代だけで食べることができるので大きなメリットと言えますね。
植え継ぎをするデメリット
反対に、デメリットはケフィアヨーグルト本来の効果が得にくくなるという点です。一般に、ヨーグルトは1種類の乳酸菌で発酵する「単一発酵」で出来上がります。そのため、入っているものはそのヨーグルト特有の乳酸菌だけとなります。
一方で、ケフィアヨーグルトは複数の乳酸菌と酵母が発酵する「共生発酵」でできあがります。入っている乳酸菌や酵母の種類の多さが、腸活などにもオススメの理由です。
種菌からケフィアヨーグルトを作る際には、そのバランスが整った状態でできあがります。しかし、乳酸菌や酵母は強いもの、弱いものなど個性があるため、植え継ぎをするうちにそのバランスが崩れてしまうのです。
そのため、せっかくの効果も期待できない可能性があります。
まとめ
ケフィアヨーグルトの植え継ぎについて紹介しましたが、いかがだったでしょうか。実際、ヨーグルトに含まれている菌の状態は肉眼では確認できないのであくまでも自己責任で植え継ぎをするほうが良さそうです。しかし、健康増進や美容目的でケフィアに含まれている乳酸菌や酵母を効率よく摂取したい場合は、植え継ぎするよりもその都度種菌を使ってケフィアヨーグルトを作ることをオススメします。
管理栄養士プロフィール:もり ひろこ
栄養士・管理栄養士歴20年、特別養護老人ホーム、保育所給食、行政栄養士など幅広く経験し、実際に調理現場にも長く従事。多職種の方々と一緒に働いた経験をいかして活動中です。
参考URL
乳酸菌 【厚生労働省】
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-026.html
ヨーグルト菌種 【メイトー】
https://www.meito.co.jp/support/faq/yoghurt-starter.html
2024年6月18日更新 オリジナルケフィアFiber+追加