【失敗事例集】ケフィアが固まらない?失敗してしまう原因とは│ケフラン
牛乳とケフィアグレイン(種菌)があれば簡単にできるケフィアヨーグルト。
「初めて作ったけど、固まらなかったから失敗?」
「この前はうまくできたのに……」
という経験はありませんか?
今回は、実際にケフィアヨーグルトを作ったことがある管理栄養士が、失敗する原因と、作り方のポイントを解説します。
※以下、ケフィアグレイン=種菌と記載します。
この状態って失敗?ありがちなパターンTOP3
ケフィアヨーグルトを初めて作る方は
「発酵温度は25℃ぴったりじゃないといけないの?」
「24時間で固まらなかったら失敗?」
「いつまで待っても、さらさらしている」
と不安になることもあるかと思います。
ここでは失敗したかも?と思ったときの、よくあるパターンを3つ紹介します。
パターン1|固まらない
もっとも多いパターンは「ケフィアヨーグルトが固まらない」状態。
牛乳などに種菌を入れて、24時間待ってみたものの、さらさらの液体のままのことがあります。季節や室温にもよりますが、特に冬場は固まりにくいことがあります。
ケフィアヨーグルトはもともと、一般的なヨーグルトよりも粘度がゆるく、さらっとしているため、固まっているのに気づかないこともあります。
「固まっていないのでは?」と思っても、表面が固まっていれば、中がゆるくても出来上がっているので安心してください。
パターン2|種菌が混ざらない
「牛乳の中に種菌を入れても混ざらない!」というパターンも、失敗したかも?と思う理由のひとつではないでしょうか?
種菌を入れた牛乳パックを振っても、混ざり切らないことがあります。種菌は溶けにくいものなので、そのままにしておいてOKです。しばらく残りますが、自然と溶けます。静かにケフィアヨーグルトができるのを待ちましょう。
パターン3|表面がピンク・黒・青色になっている
「表面がピンク・黒・青など白色以外になっている」ことがあれば、雑菌が繁殖している状態です。冷蔵庫で他の菌が混ざりこんでしまうことが原因のひとつです。
ケフィアヨーグルトの表面が白色以外になっていたら、食べるのを控えて新たに作り直しましょう。
手作りしたケフィアヨーグルトを種菌として、牛乳を加えて発酵させる方法(植え継ぎといいます)は雑菌が増えやすく、失敗してしまうこともあります。
失敗の原因TOP3
待ち時間が短い
失敗の原因で一番多いのが「待ち時間が短い」ことです。
「オリジナルケフィアのおいしい作り方」では、‘‘牛乳パックの口をクリップなどで閉じ、25℃前後で24時間発酵させて固まったらできあがり‘‘とありますが、冬場で室温が低いと24時間では固まりません。固まっていなくてもケフィアの菌が牛乳の中にあるので、長時間室温に置いても、基本的には腐ることはないので安心してください。
牛乳に種菌を入れれば、必ず固まります。寒い場所では数日後に固まった、という事例もあります。固まるまで根気強く待ってみましょう。
ケフィアヨーグルトを早く作りたい方は、ケフィアウォーマーを使うと、早く発酵させることができますよ。
温度が高すぎる
ケフィアヨーグルトを作るとき、「温度が高すぎる」状態も、失敗してしまう原因のひとつです。
他社のヨーグルトメーカーだとケフィアにとっては、温度が高すぎることがあります。
季節によっても「温度が高すぎて」失敗してしまうことも。
最近の日本は、夏場の最高気温が40℃近くなることもあり、気温が高いと発酵がどんどん進んで種菌が弱まることもあります。
冬だと、こたつやホットカーペットを利用することで、温度が上がりすぎて種菌が弱ってしまい、固まらないこともあります。
ケフィアの菌活性化のためには、牛乳を25℃に保つようにしましょう。
雑菌が紛れ込んだ
「他の雑菌が紛れ込んだ」のも、固まらない原因と考えられます。
ケフィアヨーグルトを作るときは、必ず熱湯消毒した清潔な容器や、未開封の牛乳を使いましょう。
作ったケフィアヨーグルトを植え継ぎで作っていると、乳酸菌や酵母のバランスが崩れて、固まらなくなることも。失敗しないためには、植え継ぎでの発酵よりも、毎回未開封の牛乳に、種菌を入れて作る方法をおすすめします。
失敗知らず!ケフィアヨーグルトの作り方とは?ポイントも紹介
失敗しないケフィアヨーグルトの作り方を、手順と季節ごとのポイントも合わせて紹介します。「失敗したな?」と思ったときに、ぜひ参考にしてみてくださいね。
清潔な容器で作る
ケフィアヨーグルトを作るときに使用する容器やふた、スプーンは、作る前に必ず熱湯で消毒するようにしましょう。500mlや1L入りの未開封の牛乳パックだと種菌を入れるだけなので、失敗が少なく、容器やスプーンを熱湯消毒する必要もないので、手間がかかりません。
ケフィアヨーグルトを作るときは、よく手を洗い、清潔な環境で作ることも忘れずにしましょう。
種菌は既定の量を入れる
牛乳に入れる種菌は、既定の量を入れましょう。
寒い季節は固まらないからといって、種菌を既定の量以上入れても固まりません。牛乳500mlあたりオリジナルケフィア1包(1.8g)の量を守ることがポイントです。
種菌は直射日光や高温多湿を避け、なるべく冷蔵庫で保存しましょう。
常温で発酵させる
ケフィアヨーグルトを作るときは、温度管理が大切です。常温で発酵させるようにしましょう。菌の活性化のためには、25℃前後で約24時間発酵させるのが目安です。気温によって発酵時間が異なるため、寒い時期は、タオルで牛乳パックを巻いたり、ケフィアウォーマーを使って保温するのもおすすめです。
このあと、季節ごとの発酵時間のポイントも紹介するので、ケフィアヨーグルト作りの参考にしてくださいね。
固まるまで根気強く待つ
ケフィアヨーグルトを作るときは、固まるまで気長に待ちましょう。発酵中に牛乳パックをゆすると、固まらないことがあります。手で触れたり、かき混ぜるのはNGです。
室温の低い寒冷期には、発酵に2~3日かかることがあります。安定した場所でときどき固まり具合をチェックして、固まるまでひたすら待つのがポイントです。
専用の保温器具「ケフィアウォーマー」は、一般的なヨーグルトメーカーと違って高温にはならず、気温が25℃を切ると発熱する仕組みになっています。季節を問わず、失敗知らずでケフィアヨーグルトができて、便利なアイテムですよ。
季節別ケフィアヨーグルト作りのポイント
ケフィアヨーグルト作りを失敗しないためには、温度管理と発酵温度に気をつけることです。
季節ごとの作り方のポイントをまとめたので、参考にしてくださいね。
春・秋に作るときのポイント
春は朝晩の寒暖の差が激しい時期です。ケフィアヨーグルトのでき上がる時間は、温度に大きく影響を受けます。初夏に近づくにつれて、発酵時間が短くなり、「いつの間にかできていた」という日もあるため、こまめにでき上がりをチェックしましょう。
秋も寒暖差が激しくなる時期なので、でき上がりの時間が日によって異なることがあります。こまめにでき上がりを確認しましょう。
固まったらすぐ冷蔵庫に入れて保存して、早めに食べ切るようにします。
夏に作るときのポイント
高温多湿の夏は種菌が弱まってしまい、食中毒菌をはじめ雑菌が混ざってしまいやすく注意が必要です。夏は発酵時間が短く、24時間ででき上がることが多くなります。
夏に作るときのポイントは、30℃を超えないよう、涼しい部屋で発酵させることです。北向きの部屋や、冷房を入れた涼しい部屋に置いておくのがおすすめです。
固まったらすぐ冷蔵庫に入れて保存して、早めに食べ切るようにします。
冬に作るときのポイント
冬の寒い時期が、一番「固まらなくて失敗?」と思ってしまうことが多いと思います。
室温の低い寒冷期には発酵に2~3日かかることもありますが、夏と違って雑菌が混ざる危険性が減るため、ケフィアヨーグルト作りを楽しみやすい時期でもあります。
冬は、南向きの部屋や、暖房がきいた部屋で発酵させましょう。こたつやホットカーペットで温めるのは高温になってしまい、菌が弱まってしまう可能性があるためNGです。
- 牛乳パックにタオルを巻いて、発酵温度が一定になるようにする
- 牛乳パックを30~40℃で湯せんして、保温器具で温めるようにする
なども、冬に作るときのおすすめ方法です。
固まったらすぐ冷蔵庫に入れて保存して、早めに食べ切るようにします。
まとめ
ケフィアヨーグルトの失敗する原因と、作り方のポイントをご紹介しました。ケフィアヨーグルトは、季節ごとの温度管理に気をつければ、常温で作ることのできるお手軽なヨーグルトです。
ぜひ手作りを試してみてくださいね。
管理栄養士プロフィール:岩見 真由美
管理栄養士・健康運動指導士・ライターとして活動。特定保健指導では生活習慣病予防アドバイスを、自治体の介護予防事業では高齢者のフレイル予防と、食事と運動の両面から健康づくりのお手伝いをしています。
参考URL
・ケフラン「ヨーグルトメーカーを使ったケフィアヨーグルトの作り方」
https://www.kefran.com/blog/about_kefir/post/003/
・ケフラン「美味しいケフィアの作り方」
https://www.kefran.com/blog/about_kefir/post/002/
・フジッコ「カスピ海ヨーグルトの作り方講座」
https://www.shop-fujicco.com/caspi-yogurt/contents/qa/
2024年6月18日更新 オリジナルケフィアFiber+追加